<図解>なぜ医学部浪人は長くかかってしまうのか? その原因を考えてみた
何故、かつての僕は医学部受験を止めれなかったのだろうか。
受験に費やした6年という時間。浪人の時には勉強の忙しさと現実を見ることの不安で考えないようにしていた。
しかし大学生となった今では、この6年と言う時間の「重さ」をよく考えてしまう。
確かに、浪人時代に多くのことが学べたし、その時頑張ったという経験が今の僕の力になっている。だからあまり後悔はしていない。
だけれども、はたして6年という時間を費やすに値した程なのか、断言することができないのも事実だ。
そして、もう1つの事についても考えてしまう。
それは、何故僕は6年間も医学部受験に費やしてしまったのだろうか。ということだ。
6年。
それは小学生になってから卒業するまでの期間、もしくは中学生になって、高校を卒業するまでの期間と考えると、よりその重さが身に染みる。
6年間を受験に費やしてしまうだけの深刻な原因があったのだろうか。
その原因を考えてみようと思う。
1 浪人するごとに成績が伸びにくくなる
ほとんどの人が、浪人する大前提として、成績が伸びるからという期待があると思う。
その前提は半分正しくて、半分間違いだ。
実際のところ、ある程度までは成績が伸びるが、それ以降は頭打ちになる。
数学で例えるとy=xではなくy=logxのようなものだ。浪人すればするほど、成績が異様に伸びなくくなる。
以下が僕が浪人するまえに考えた成績の伸び方だ。
しかし現実は以下の通りだった
その理由として、「何が分からないのか分からない」状態になるからだと僕は思う。
長年浪人をしていると、年月を重ねた分の知識は確実に身につく。しかし、その重ねた知識が問題なのだ。
その知識の量が原因で、自分が何を分からないのか把握するのが難しくなる。
もしも分からないのが、ただの応用的な知識なら傷は少ない。
本当に怖いのは、実際は最も大事である基礎力、つまりは土台となる知識に問題を抱えているのにも関わらず、それにも気づかずに過ごしてしまうことだ。
もしそのままだと、不合格の道へとまた向かってしまうことになる。
2 サンクコスト(埋没費用)の心理
突然だがゲームセンターでクレーンゲームをやったことがあるだろうか。僕はクレーンゲームは客からお金をむしり取る悪魔のゲームだと思っている。
同意してくれる人もいるかと思うが、本当に途中でやめることが難しいのだ。
あと・・・少しで取れそうなのに・・・取れねえ!!!!!
そうやってどんどんお金を入れてしまう・・・
このような状態を経済学用語でサンクコスト効果と呼ぶ。つまりは、使ったお金と時間がもったいくて、やめられなくなる現象だ。
このことは浪人にも当てはまる。
多浪してしまえば、志望大学の合格以外の理由でやめることがとても難しくなる。
1年や2年の浪人であれば、他の大学や学部に入学しても、まだ人生やり直せるという思いがある。
しかしそれ以上、ましては6年も浪人するとなると状況は絶望的のように感じてくる。
今から学部変更しても、将来まともな職につけないのでは・・・
自分には医学部以外に道はないんだ・・・
こういった思いがずっと頭にこびりついてしまうのだ。
そして、浪人するのにかかった費用と時間を考えるとさらにやめれなくなる。
3 まとめ
以上のことをまとめると下のような関係になる。
不合格→サンクコスト効果→浪人→成績が伸びない→不合格→(以下ループ)
僕はこのループに陥り、そして6年間も浪人してしまった。
もしかつての僕がこれらのことを知っていたのなら、もっと早くで浪人を終えることができたのではないかと思う。
もし今、医学部合格に向けて浪人している人がいたら、知ってもらいたい。
時間をかけることだけが努力ではないこと。そして自分の意志とは関係なく努力せざるえなくなっているかもしれないということを。