ちゅんだーは地上へ落下中、そして考える。

医学部受験に6年費やしても不合格した人。腐らず、マイペースに生き抜くのみ

<大学生オススメ本>あなたの人生の末路はー読書感想「宝くじで1億円当たった人の末路」 (鈴木信行)

「人生はまさかの連続」

よくそう言われるが、実際自分もまさかこんな人生になるとは夢にも思わなかった。そしてこれからの人生も、予想どおりになるのは難しそうだ。

自分の将来に対する不安はいつまでもつきまとう。特に学生という「選択」しないといけない身分ならなおさら不安は強いだろう。

だからこそ僕たちは人生を大きく変えてしまうような選択を決断することに、難しさを感じてしまう。

なぜなら、その選択をした結果の将来がどうなるかわからないからだ。

その不安が原因で、自分の意志に反して、周りの人達と同じような道を進んでしまう人もいることだろう。

だけど、もしその「選択」をした人のその後の人生、つまりは末路が分かることができれば、どれほど安心できることか。

そんな「選択」を前に不安を感じている人たちにお勧めなのが本著「宝くじで1億円当たった人の末路」だ。

本著では自分から、もしくは偶然の結果、自分の人生を変えてしまう「選択」をした人たちの様々な末路が書かれている。

 

宝くじで1億円当たった人の末路

宝くじで1億円当たった人の末路

 

 

 

 

多種多様な末路

本著には多種多様な末路について書かれている。

表題の1億円当たった人のように、偶然により「受動的な選択」をした人の末路もあれば、バックパッカーのように「自分の意志で決められる選択」をした人の末路も存在する。

さらに「癖で首をポキポキ鳴らし続けた人の末路」のような意味不明な末路や、「リモコン発見機の末路」などのもはや人ではない物の末路まで書かれているという、盛りだくさんな内容だ。

 

仲でも自分のお気に入りは「電車で中ほどまで進まない人の末路」だ。

通勤通学時に電車に入ると、電車内の中は空いているのに、出入口はなぜか込み合っていてイライラしたことのある人も多いだろう。

そんな困った「電車の中ほどまで進まない人」を人間心理に詳しい専門家が分析し、気が利かない、もしくは心理的に視野が狭いなどの原因を特定する。

そこからそんな人々が増えた現在の日本社会の問題点を指摘し、さらには電車の奥に行く具体的な技術まで教えてくれる。

このように各エピソードが、1つのテーマから思ってもみなかった話題にまで広がってくきてとても面白い。

 

人生を選択する勇気を

実に多くの選択と末路を収録している本著だが、読んだ人がたとえ同じ選択をしたとしても同じ末路になることはまずないだろう。

その点で言えば本著は参考にすらならないのかもしれない。

 

しかし「選択する勇気」を本著は与えてくれる。

 

あとがきにも書かれているように日本は同調圧力が強い国であり、自分だけの「選択」をするのが比較的難しい。

ここまで様々な専門家の方が指摘したように、日本は同調圧力が強い国です。何事も目立たず、周囲と同じことをしなければならない。そうでない人は変わった人である。そうした社会風潮は間違いなく、日本人の人生を生き辛いものにしてきました。

(中略)

そんな同調圧力に自分を合わせるのはいかにナンセンスか、お分かりいただけたはずです。会社生活も私生活も、自分がそれを望むなら、堂々と人と違うことをやればいいんです。

 

そんな社会の中で、大きな選択をした人が本著には収録されているが、みな自分の人生をしっかり生きているように感じられた。

僕自身も浪人という大きな選択をした結果、いわゆる「まともな人生」の道からは完全に外れてしまっているが、その時の経験は得難いものだったし、後悔はあまりない。

ただ、6年間も浪人するのはオススメできません。ほどほどでやめましょう・・・

例えどんなに周りの人達と違う選択をしたとしても、決意をもって選択したのなら、その人生は唯一無二の人生になって、自身の力になることを本著は教えてくれる。

 

まとめ

とても真面目な感想になったが、あまり気張らずに多くの人が本著を楽しむことができるだろう。

「男の末路」や「ワイシャツの下に何を着るのか悩む人の末路」などのテーマを、専門家が本気で解説するところは、「空想科学読本」のようなバカバカしさも感じられる。

一方で「友達ゼロの人の末路」や「子供を作らなかった人の末路」など、いまの社会で悩みの種になっているようなテーマもある。

自分の人生の末路を想像し、選択することの助けになれるような1冊だ。