塾で戦う、全ての受験生に送るアドバイス
3月ももうすぐ終わる。
大学に合格した人にとっては、春から始まる新しい生活の準備で忙しい時期だろう。そして大学に落ち、また挑戦しよう決意する人にとっても忙しい時期だと思う。
塾選びの時期だ。
本当に多くの塾が日本にはある。自分も通っていた大手の予備校のように、一人の教師が1つの教室でたくさんの生徒を教える塾、それとは反対に一人の生徒だけを個別で教える塾。
1つの大学、1つの学部を合格することに特化した塾もある。さらに1つの塾だけでも多様な料金プランや授業カリキュラムが存在する。
自分が浪人だった時、3月は矛盾する気持ちをかかえていた。大学を落ちて悲しんでいた反面、こんな多くの塾があるなら自分を医学部に合格させてくれる理想の塾があるのではないか期待して、そんな理想の塾を探すのに少しワクワクもしていたからだ。
いろんな塾の体験授業を受けて、パンフレットを見て、塾の講師の評判を調べて。理想の塾探しに夢中だった。
今思えば、本当にバカだった。
そりゃ、自分にあった塾は間違いなく存在すると思う。しかし「合格させてくれる」塾はどこにも存在しないのだ。
当時の自分はこの塾だったら大学を「合格させてくれる」と考えるばかりで、自分で「合格する」という意識が薄かった。だから塾に入った後、授業のカリキュラムや講師のアドバイスなどに素直に従ってきた。いや、従うことしかしなかった。
自分が長い間、浪人することになる大きな原因はこの塾任せの態度、言い換えれば主体性の無さにあると断言できる。
どんなに実績のある塾に入り、素晴らしい講師に教わろうと、自分で合格しようという強い思い、受験に対する主体性が存在しなければ、たちまち不合格に近づいていく。
受験をしようと思っている浪人生のほとんどは、もう塾に入ることを決めていると思う。その塾で1年間必死に勉強することになるだろう。
そんな人達に、6年間浪人しても医学部に入れなかった失敗ばかりの俺から、少しだけアドバイスがある。
たとえどんなにあなたの入っている塾が素晴らしくて、講師が優れていたとしても、ほんのちょっとの時間でもいいから、自分自身のことを考えて欲しい。
自分の勉強のやり方は当たっているのか。本当にこの大学、この学部を合格したいと強く思っているのか。そしてどう上手く塾を使うことができるのか。
まったく考えなかった結果が、この6年間だ。
塾が合格させてくれるんじゃない。塾を利用して自分で合格する。そういった主体的な気持ちが合格により近づけてくれるんだと、僕は思う。
中には6年間浪人した間抜けのアドバイスなんかに意味があるのか。そう疑問に思う人が間違いなくいることだろう。
その態度は正しい。その態度を塾や講師に向け、そして自分自身にも向ける。
それが受験に重要なコトの一つ。「主体性」なんだ。