浪人生に友達は必要なのか? 僕が経験して学んだ友達がいることのメリット
本気で大学を目指しているのなら、浪人はめちゃくちゃ辛い。
毎日長時間勉強する必要があるし、常に不安を感じてしまう。
そんな辛い毎日の中で、一緒にその辛さを分かち合える友達を求めるのはとても自然なことだ。
同じ塾に仲の良い友達がいるだけで、苦しい日々も楽しむことができる。
しかし、浪人生に友達は必要なのかという意見も存在する。
確かに、長い浪人生活の中で、多くの友達がその受験勉強の辛さが原因で、ギスギスしてしまい、喧嘩をしてしまうという場面を何度も見てきた。
ただでさえ、浪人生は勉強に集中しないといけないのに、もし友人との人間関係がこじれてしまったら、勉強の大きな妨げになってしまう。
しかし、それでも友達がいることは、浪人する上で大きなメリットになる。
今回はそのメリットを説明したい。
1 不安を分かち合える
友だちがいることの最大のメリットは不安を分かち合えるということだ。
正直な話、浪人生活はとてもつらい。
毎日朝起きたらすぐに勉強をして、その後塾にいって授業、そして塾から帰ってきても勉強と、とにかく勉強をする必要がある。
その生活の中で、感じるストレスや不安は数えきれないほどだ。
しかしそんな辛い生活を共有できる友達がいて、お互いにその辛さを分かち合うことができるのなら、本当に大きな救いになる。
確かに両親や周りの人々の応援はとても励みになる。自分もこのおかげで長年頑張れたのだと感じる。
しかし浪人という、苦しくて辛い日々を分かち合えるわけでない。
その苦しみを分かってくれるのは、同じ苦しみを感じている友達だけなのだ。
2 友だちと遊ぶことは良い休みになる
基本的に浪人生はたくさん勉強することになるだろう。
しかし、それでも四六時中勉強することはまず無理だ。
どうしてもやる気のない日があるだろうし、それに休みなく勉強していたら、次第に勉強の効率が落ちてしまう。
そんな時に友達と遊ぶことは、とってもいい気晴らしになる。
僕の場合は、同じ塾に通っていた高校時代からの友達とお互いに勉強に疲れたら、よくラーメンを食べに行ったり、時には映画を見に行ったりした。
基本辛かった浪人生活だが、このような何気ない気晴らしが、今でも心の中にのこって良い思いでになっている。
3 お互いを高めることができる
そして友達は大きな協力者になると同時に最大のライバルになる。
少年漫画みたいだが、ライバルがいることで、もっと勉強を頑張ろうという気持ちになることができる。
僕の場合、通っていた塾に同じ年齢の医学部志望の友人が多くいた。
そのため毎回の模擬試験で成績を競い合い、結果が返ってくるとすぐにお互いの成績を見せあった。
もし友人より成績が下なら本気で悔しがり、上だったら表面上は謙虚な態度をとりながらも内心とても嬉しかっものだ。
大学に合格しようという強い気持ちと同じように、友達に負けたくないという気持ちも自分を勉強へと駆り立ててくれる。
4 有益な情報を共有できる
受験は情報がとても重要だ。
大学自体の情報はもちろんのこと、自分の通っている塾の先生の評判や、内容の良い参考書や他の塾の特別講座などの有益な情報などを手に入れることは、大学に合格する上で大きなメリットになる。
しかし一人ではなかなか多くの情報を手に入れることは難しい。
確かに普通の塾であれば、大学に関する情報ならいくらでも教えてくれる。
しかし自分が受けていな塾講師の実際の評判だったり、他の大手予備校の夏期講習の情報や、無数にある参考書や問題集についての情報などは、自分で調べるしかない。
だが勉強の合間に全部を調べるとなると、とても手間がかかる。
そんな時に友達がいるのなら、お互いに情報を共有することができる。
5 まとめ
浪人生活において友達がいることのメリットを書いた。
しかし青臭いかもしれないが、友達とはメリットで付き合うものではないよなーと思っている。
辛い浪人時代に一緒に勉強した友達はとても得難いものだ。
だからこそもし友達がいるのなら、共に勉強を頑張ってもらいたい。
塾で流行った3冊の自己啓発本
他の塾ではどうなのか知らないが、僕の通っていた塾では自己啓発本が流行っていたことがある。
特に浪人を極めた、いわゆる「塾の主」と若い子たちから畏れられていた多浪生たちの間で流行っていた。
ちなみに僕はその多浪生たちとは深く関わらずに、仲の良い友人と離れの別館で勉強していたため、「別館の赤軍」と呼ばれていたらしい。なぜ赤軍なのか未だに分かっていない。
そこで塾で流行っていた代表的な自己啓発本を3冊ほど自分の体験と一緒に紹介してみようと思う。
1 7つの習慣
- 作者: スティーブン・R・コヴィー,フランクリン・コヴィー・ジャパン
- 出版社/メーカー: キングベアー出版
- 発売日: 2013/08/30
- メディア: ハードカバー
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言わずとしれた名著である。
自己啓発本を日常的に読む人だったら、すでに読んでいるのではないだろうか。
僕はこの本家の「7つの習慣」は読んだことはなく、著者の息子が執筆した、この「7つの習慣ティーンズ」を読んだ。
- 作者: ショーン・コヴィー,フランクリン・コヴィー・ジャパン
- 出版社/メーカー: キングベアー出版
- 発売日: 2014/05/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ティーンズである中高生を対象としているため、内容や文章がとてもわかりやすくなっている。
「7つの習慣」に興味あるが、難しそうと感じる人にはお勧めである。
これを読んだのが、多分浪人5年目の時だろうか。
読んだ当初は、自分がとても素晴らしい人間になったかのような高揚感があった。
「おお!これで医学部に合格できる!!」
「俺の人生、成功したも同然じゃないか!」
そう思ったのだった。
そして、大学生になった現在。この本の内容を僕は何一つとして実践できていない。
ちなみに、塾での担当講師との面談の際、最近「7つの習慣」を読んでることを言ったことがある。
すると、その担当講師から
「おまえの人生、間違った方向にすすんでるな」
と言われてしまった。
少し多浪に厳しすぎないですか・・・
2 嫌われる勇気
日本にアドラーブームを起こした、有名な本。
アドラー心理学を用いて、人間関係の悩みの解決を目的とした本だ。
そして、塾で最も流行った本でもある。
勉強ではなく、人間関係の悩みが多かったのであろうか・・・
僕の当時の友人の1人もこの本にドップリはまり込んでしまったのだが、そのおかげか何か言われるごとに「はい、それは課題分離」と言うようになってしまった。
「課題分離」とは相手の感情や思考など、自分ではどうしようもないことを、自分ではなく相手の問題と考えることで、余計な負担を負わないようにする考え方のことだ。
そのため彼は自分にとって「都合の悪いこと」=課題分離という考えをもってしまったようだ。
そのせいで、みんなから嫌われてしまうという、まさしく本書のタイトル通りの結果となってしまった。
3 PDCA関連本
そしていわゆる「PDCA」に関する本もとても流行った。
PDCAとは下の引用にある通り、4つのサイクルを繰り返し行うことで、主に業務などの改善を目的とした考え方だ。
PDCAサイクル(PDCA cycle、plan-do-check-act cycle)は、事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ。 Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善する。
PDCAサイクル - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/PDCA%E3%82...
このPDCAを、勉強に生かすことで効率的に成績を上げていこうとの考えのもと、浪人生たちに広まっていった。
当時、大阪大学を卒業したのちに医学部を再受験しようとしていた人が、このPDCAの重要性をみんなに広めていった結果、塾内で空前のPDCAブームが生じた。
しかし僕はこの人からいわゆる「意識高い系」の匂いを感じ、「何がPDCAだよ!黙って勉強しろよ!」と思ってしまい、PDCA関連の本には手をだすことがなかった。
大学生になった今、このPDCAに関する本を読んでみると、なかなか勉強に使えそうな考えである。
まとめ
実際、自己啓発本を読むことはとても面白い。それに受験に役立ちそうなアイディアも沢山存在する。
もし気になる自己啓発本があれば読んでみるのをオススメする。
ただ、読んでも成績が上がるわけではないので、読み過ぎには注意です。
もう勉強に飽きた!!そんな浪人生が知るべき原因と対策を教えます!
浪人生を過ごすうちに、いろんな障害に立ち向かう必要がでてくる。
具体的には、成績が伸びないという不安、毎日の勉強に対するストレス、周りからののプレッシャー、すでに大学に入学した友人への嫉妬、そして人によっては塾内の人間関係などだ。
その障害のなかで、僕が最も苦しんだのは「勉強への飽き」である。
現役や浪人したてのころは勉強に飽きるということはなかった。
むしろ張り切って勉強していたのだ。
しかし、月日が経つにつれて、徐々に勉強に対して飽きるようになっていった。
勉強に飽きると、勉強自体に集中でできなくなり、また勉強時間も以前よりも少なくなってしまう。
読書やスポーツなどの趣味が飽きるのとは違い、浪人生にとって勉強が飽きるのはかなり深刻な問題だ。
趣味に飽きたら、そのまま放置していればいい。
しかし浪人生は勉強に飽きようとも、合格するためには勉強しなければならないからである。
だから浪人生にとって、いかに勉強に飽きずに、また飽きたとしても質の高い勉強をどのように継続するかを工夫することがとても重要である。
何故勉強に飽きるのか?
そもそも、なぜ勉強に飽きてしまうのだろうか。
それには理由が2つある。
理由1 同じ教科を何度も勉強しないといけないから
その1つが、大学受験では限られた範囲のみを、繰り返し勉強する必要があるという点である。
受ける学部によるが、多くてもセンター試験で5教科、二次試験で3教科を必要とされる。
1年間という短い期間であれば、全部をやり切るのは大変だ。
だから現役生や浪人1年目の人たちが、勉強を「やる気がない」という気持ちにはなるかもしれないが、勉強に「飽きる」ということはあまりないと思う。
しかし、僕のように何年間も浪人して勉強を続けていると、どうしても同じ内容を1回ならず何十回も繰り返すことになる。
すると「ああ。また同じ分野やるのかよ・・・」と感じるようになり、最終的には飽き飽きするようになり。
この同じことの繰り返しが飽きることの原因の1つである。
理由2 基礎はつまらない。
そして理由の2つめが、受験勉強で最も多くの時間を費やすのが、基礎分野の勉強ということである。
この記事に書いたように、浪人生であっても現役生と同じように、基礎を初めから勉強する必要がある。
基礎をしっかりと理解し、覚えていなければ、合格に至るまでの学力を伸ばすことが難しくなるからだ。
しかし正直な話・・・
基礎って単純でつまらないのだ!
英語だと単語、熟語、文法。数学だったら計算問題や公式の証明とかかな。
重要なのはわかっているが、あまりに単純で地味である。
そのため、やっても達成感もなにもなく、 だんだんやるのに飽きてしまう。
この基礎分野の単純さと地味さ。これが理由の2つめだ。
「飽きる」ことへの対策について。
ではどうやったら「飽きる」のを抑えて、勉強を続けることができるのだろうか。
実際に僕が浪人時代にやっていた対策や、大学に入ってから学んだ対策などを紹介したいと思う。
方法その1 勉強の環境を変える。
どんなに飽きようとも、勉強の内容自体は変えることはできない。
であるなら、勉強する環境を変えるのは1つの方法だ。
たとえば、日ごろから勉強している自習室から別の自習室、もしくは近くの図書館やカフェなど、勉強する場所を変えるなど小さい変化はすぐにでも可能だ。
さらにいえば、通っている塾自体を変えることもオススメだ。
塾を変えるのは、ハードルが高いが、僕の経験上かなり有効と感じる。
僕は地元では大きな規模の塾に数年間通っていた。しかし、同じ講師の下で、同じことを毎年繰り返していると、どうしても飽きてしまった。
そこで翌年は大手の塾へと変えたのだが、想像以上に勉強に励むことができた。
方法その2 勉強の「ゲーム化」
すぐにできる対策としては勉強の「ゲーム化」である。
司法試験対策の塾を経営する伊藤真さんの著作「続ける力」には勉強のゲーム化について以下の事が書かれている。
中身は変えずに、簡単なことを「挑戦しがいのある難しいこと」に、「退屈なこと」を「楽しできるめること」に転化する工夫のひとつが、「ゲーム化」です。
とはいっても、特別なしかけが必要なわけではなく、「一定の時間で、何問解けるか」「一定の課題をどのぐらいの時間でクリアできるか」といった、タイムルールを設定するだけでも、かなり新鮮な気持ちで取り組めるようになります。
要するに、勉強に「時間制限」や「ルール」、「ペナルティ」などを設定してすることで、高い緊張感や、新鮮な気持ちで取り組むことである。
実際に勉強に時間制限を取り入れるのはかなりの効果がある。
この記事でも紹介した「ポモドーロ・テクニック」も一回の勉強に約25分の時間制限をかけることで、集中力を高めることを目的とした勉強法だ。
他にも協力してくれる友人がいるなら、ペナルティ有りの問題の出し合いなど、まさしく対戦ゲーム感覚で勉強するのも、オススメする。
実際にこんな風に勉強がゲームになったらなあ・・・
方法その3 リセット化
その名の通り、浪人を始めるごとに問題集や教科書を別のモノに買いなおしたり、ノートを最初から取り始める、つまりリセットすることだ。
確かに、1年間使用した問題集や参考書にどこか愛着が湧いたりもするし、書き込みなどで自分専用のモノとして効率的になっているかもしれない。
しかし、もしおなじモノを使うとなると、また去年と同じことの繰り返しという気持ちが強くなってくる。
おなじことの繰り返しという気持ちが、飽きることを加速させる。
だから、リセット化によってまた新鮮な気持ちを取り戻して、1年間勉強に励むのもオススメである。
まとめ
浪人をしてる上で、多少なりとも勉強に飽きてしまうのは自然なことだ。
勉強するのが楽しいという人なら再び勉強への意欲が出てくるかもしれないが、僕みたいな嫌いな人にとっては、飽きてしまうとそのまま勉強しなくなってしまう恐れがある。
だから、以上に書いたような「飽き」への工夫をすることで、少しでも飽きることなく勉強を続けられるようにするのが大切である。
浪人しても成績が上がらないのは本当か? 多浪した僕が教えるその事実
はじめに
「浪人しても成績は伸びない」
そのようなことを学校の先生などが言ったのを聞いた事はないだろうか。
僕の経験から言うと、それは半分正しい。そして半分誤りだ。
たしかに、もし浪人すればするほど成績があがるのであれば、僕は今頃、医学部、それも名門大学の医学部に入っているだろう。しかし実際は医学部に合格することすらできなかった。
とは言っても、成績が伸びなかったのかというと、そうではない。
浪人してから、僕はセンター試験で9割を超えることができたし、模擬試験でも偏差値70を越えることもざらにあった。
ではなぜ浪人しても成績が伸びないと言われるのだろうか。その理由を説明してみようと思う。
まず初めに、浪人に関して、多くの人が持っている勘違いを指摘する。
1 浪人≠「強くてニューゲーム」
「強くてニューゲーム」とは一般的に、ゲームでクリアした時の強さを保ったまま、最初からそのゲームを始めることを言う。
かつての僕のように、浪人とはこの「強くてニューゲーム」と同じだと思っている人が多くいるだろう。
知識と能力を保ったまま、また受験を最初から始めることができると。
だけど、断言する。
浪人=「強くてニューゲーム」ではない!!!!
2 受験までに必要な学力とは
まず大学を合格するのに必要な学力をイラストにしてみた。
(このイラストでの基礎、標準などは、いわゆる基礎問題、標準問題を解くことのできる学力を意味する)
絵心がなくて申し訳ない・・・
イラストのように基礎的な知識を覚え、そして理解しながら、1つ1つ積み上げていき、そこから標準的な内容、そして余裕があるなら発展的な内容へと段階をあげていくのが一般的な勉強だ。
一部の難関大学以外の大学であれば、標準的な問題を解けるようになれば間違いなく合格することができるだろう。
3 現役生と浪人生の4月の学力について
さて、ここで4月時点での現役生と浪人生の学力について説明する。
多くの現役生は下のイラストのような学力になると思う
まあ中には化け物みたいな学力を持つ現役生も沢山いるんですけど・・・。
現役生はこのように基礎学力を1から積み上げて、本番までに標準問題を解けるようになるまで努力するのが一般的な勉強のやり方だ。
一方で浪人生の学力のイラストは下のようになる。
現役生と比べるとある程度の基礎学力があり、一部の分野では標準的な学力までに達しているだろう。
この点でいうと、浪人生は現役生と比べて、すでに知識量の点では有利と言える。
4 浪人生が持ってしまう最大の勘違い
しかし、ここで1つ問題がある。それは浪人生の1年間の勉強のやり方だ。
現役生の場合は、さっきのイラストのように下から順番に基礎を学んでいけばよい。
一方、浪人生の場合はどうだろうか。
現役の時よりも、ある程度の知識量も理解度もあるため、結構な数の浪人生がこのように思うのではないだろうか。
この「基礎の穴」を埋める のが浪人生の勉強だと。
たしかに、この考えは正しい。大学受験の際までに埋められなかった「基礎の穴」を埋め、そこから「標準の穴」を埋めることが浪人生の目的と言える。
・・・だけど、1つだけ疑問がある。
ピンポイントで「基礎の穴」を見つけることができるのだろうか??
5 穴だけを埋めるのは不可能
僕の経験としてだが、自分の中にあるこの「基礎の穴」のみを勉強するのは、想像以上に難しい。
特に大学受験で英語、数学、理科、国語、社会の全ての科目が必要になる場合、勉強しないといけない量は膨大なものとなる。
そんな中で、自分が覚えていない、理解していない分野をピンポイントで見つけることはとても困難だ。
そして特に問題なのは、自分では完璧だと思っていても、実際には基礎に穴のある分野がいくつか存在することだ。
また日数がたつにつれ、ある分野の基礎についての知識と理解が薄れてしまうという問題もある。
これらの理由から、「穴」だけを埋めるのは不可能と言える。
しかし浪人生の中には、この穴だけを正確に埋めようとする人がいる。
その結果、勉強しているはずなのに、この「基礎の穴」を全て埋めることができず、まったく成績が伸びないことになる。
以上が「浪人しても成績が伸びない」ことの理由だ。
6 浪人生のやるべき勉強とは
では浪人生はどうやってこの「穴」を埋めればよいのだろうか。
答えはとても単純だ。
また最初から、全部をやることだ。
「穴」を見つけるのはとても難しい。
だったらすでに身に着けている基礎を含めた全部の範囲を、ゼロから勉強し直すしか方法はない。
現役生と同じく、最初から始めなければいけないのだ。
つまり浪人=「強くてニューゲーム」ではない。
浪人=「最初から始める」なのだ。
まとめ
浪人はまた最初からやらないといけないと聞いて、うんざりする人もいると思う。
かつての僕でもうんざりするだろう。
でも、医学部や難関大学を絶対に合格したいのなら避けては通れない道だ。
正直な話、基礎学力に穴があっても合格する人はいる。ただそれは大きな博打に勝利しただけで、再度受験しても受からない可能性は大きい。
だから、少しでも大学合格の可能性を上げるために、全てをやりつくす覚悟で浪人生活を頑張ってもらいたい。
6年間の浪人生活で気づいた医学部に合格できない人の特徴
まったく自慢にならないが、僕は医学部合格を目指して6年間浪人するという、普通の人なら選ばないような経験をした。
そんな6年間の経験で、どんな人が医学部になかなか合格できずに、多浪してしまうのかある程度わかるようになった。
かつての自分や、その他の医学部に合格できない人の特徴を挙げてみようと思う。
1 結果を自分で負えない人
大学受験のために浪人すると、ストレスを感じる瞬間が多くある。
特に成績の伸びが感じられない時期や、模擬試験で満足できない点数を取ったときなどは強いストレスを感じるのも当然だ。
しかしそんなときに他の人やモノ(例えば塾講師や使っている問題集など)に責任を負わせ、自分は悪くないと思っている人は成績が伸びることはない。
何故なら受験とは、自分自身で孤独に戦わないといけないものだからだ。
具体的に言うと、勉強するのは自分。塾を選ぶのも自分。どの大学受けるのか決めるのも自分。どの問題集を購入するか決めるのも自分。どのような勉強法をするのか考えるのも自分。友達と遊んでリフレッシュするかどうか決めるのも自分。
全部自分で決めるべきだし、決めないといけないのだ。
そして出た結果は全て自分の責任にしないといけない。
かつての僕には、全部自分で決めるという覚悟、いわゆる受験は自分自身がやっているという「当事者意識」が薄かった。
塾に入ったら大学に合格させてくれると思っていたし、評価の高い問題集や参考書を購入したら自然と成績が伸びると思っていた。
だから成績が伸びなかったら、塾講師が悪いと思って授業を受けなくなったり、別の問題集を何も考えずに購入するなどの行為を繰り返していった。
もしも最初から受験に対して、そして自分に対して本気で向き合って取り組んでいたのなら、医学部に合格していたのではないかと今でも考えることがある。
2 塾講師の話を聞かない人
人の、特に塾講師のアドバイスなどをまったく聞かずに、自己流の勉強法にこだわる人は成績が伸び悩むことが非常に多い。
たしかに、自分のその時の学力、能力、性格などを考慮した上で、自分に合う勉強法を探すのはとても重要だ。
前回書いた記事にも人のアドバイスなどを、何も考えずにただ受け入れるのはダメだと書いた。
しかし塾講師は何年、何十年も受験業界に身を置いてきた人たちだ。成績を伸ばすためのノウハウの蓄積は、受験生よりずっと多い。
だからこそ、講師たちの話に耳を傾けるべきだ。
何も考えずに従うことはダメだが、話すら聞かないのはもっとダメだ。
3 問題集を買いまくる人
自分に合った問題集を使うことは受験において重要だ。
しかしだからといって、1冊を徹底的にやり込まずに次から次へと問題集を買いまくるのは、やめた方がいい。時間と金の無駄だ。
何故ならよほど優秀でない限り、数回ほど問題集の問題を解いた程度でその問題の解き方や内容を理解したり覚えたりするは不可能だからだ。
もし1冊の本をほぼ完璧に理解することなく、別の本に手を出したら、曖昧な理解と知識のままで終わってしまう。
だから、その本の内容をほぼ完璧に理解するまでは10回20回、なんなら100回でも繰り返すべきだ。
ただ、かつての僕も沢山の問題集を買っていたから、ついつい買ってしまう人の気持ちはとてもわかる。
大型書店の受験本のコーナーに行って、そこから自分にあってそうな本を探す時間はとても楽しく、買った時には「これで成績があがる!」という、期待と興奮で心が満たされた。
しかし本当の目的は問題集をやり込み、自分の成績を上げることであって、問題集を購入することではい。
手段(問題集)と目的(成績をあげること)を勘違いしてはいけない。
4 勉強した時間を重要視する人
長時間勉強することはとても大切だ。
一部の天才でもない限り、沢山勉強をしなければ医学部には合格できない。
しかし一部の受験生の中(正直に言うとかつての僕だが・・・) には「勉強した時間」にこだわる人がいる。
例えばストップウォッチなどで1日の勉強時間を測って、「お!今日は10時間も勉強した!すごい努力してるじゃん!」とか「たった4時間しか勉強できなかった・・・」というような感じだ。
こうなったら非常にマズイ。
なぜなら時間にこだわっても、得られるのは自己満足だけで、実際には何も身についていないことが多くあるからだ。
長時間勉強することを目的にすると「いかに長時間勉強すること」に目が向いてしまい、肝心の「何を勉強したか」に注意をむけなくなってしまう。
だから無意識のうちに、自分やるべき範囲や科目ではなく、すでに覚えてしまった範囲や好きな教科などのストレスをあまり感じない勉強や、あるいは集中力が切れていて頭に入っていないのに形だけ勉強するなどの、実際には無価値な行為をしてしまう可能性がある。
まとめ
以上が僕が見てきた医学部になかなか合格できない人たちの特徴だ。全部とは言わないまでも1つぐらいなら当てはまる人もいるかと思う。
だけど、大丈夫。当てはまったからといって医学部に不合格になるわけではない。
大事なのは、受験に対して真剣になること。そして自分を時々振り返ってみること。
本当に真剣なのか。どこかに自分に対して甘えがあるんじゃないか。実際に勉強は身についているのか。勉強してるフリをしているのだけではないか。
そうやって自分に厳しく、そして冷静に自分を見つめれば、かつての僕が経験したようなことなく、医学部に入れるだろう。
<学生オススメ本>学ぶべきは「稼ぎ方」より「使い方」-読書感想「投資家が「お金」よりも大切にしていること」
大学生になると、「お金」がより身近な存在となる。
自由な生活を手に入れる反面、より多くのお金が必要になってくる。
そのため僕のように時給の良いバイトを探すのに精をだしたり、もしくはビットコインのように短期間で大きく稼げる方法について勉強する人もいるはずだ。
また社会に出てからも、お金をどうやって大きく、安定して稼ぐかは大きな課題になってくる。
だからこそ投資の方法や副業などの情報が、本によって紹介され、多くの人がそれを求めるのだろう。
しかし、「稼ぎ方」を教えてくれても、「使い方」を教えてくれる本は意外と少ない。
本著は投資家である著者が日本に根ずいているお金への態度や使い方を通して、「お金」の本質を導き、その広がりと深さを説明してくれる1冊だ。
僕たちは「消費」でつながっている
「人は生きているだけで価値がある」とはよく言われる言葉だが、著者は投資家らしい視点でこの言葉を肯定する。
それは「消費」という視点だ。
まず、主に経済は以下の3つの主体からなる。
➀ 企業 ② 家計 ③ 政府
経済において企業と家計の関係は、「企業が賃金を与え、家計が労働力を提供する」という「労働」という視点からの相互関係になる。
しかし著者は、この関係を「消費」というで視点で考える。
たとえば、いちばん極端な例として、赤ちゃんを考えてみましょう。赤ちゃんは自分では何もできないし、もちろん1円も稼ぐことはできませんが、立派な経済主体です。なぜなら、赤ちゃんがいることによって成り立っている会社や産業があくさんあるからです。
(中略)
つまり、赤ちゃんが存在するだけで経済が動いている、ということです。
つまり、僕たちは生きていく上で必ず何かを「消費」しなければならない。
それは例え自分でお金を稼いでない人であっても同様だ。
だから、生きている、ただそれだけで企業、そして社会に対して「消費」という行動で貢献していると著者は指摘する。
ブラック企業は何故なくならないのか
そしてこの「消費」という点で考えると、労働を酷使する企業、いわゆるブラック企業が何故なくならないかわかってくる。
それは僕たちが「安い」ものを求めているからだと、著者は指摘する。
確かに僕たちは、可能なかぎり安いものを求める。
大学での飲み会は安くて多く飲み食いできる場所が良いし、地元に帰るときは格安の飛行機や夜間の高速バスを利用する。
しかし、多くの人たちが「安さ」を求めると、企業側は費用を抑える必要がでてくる。
どの費用を抑えるか? それは人件費だ。
だからこそ、労働者を安く、そして長時間酷使することブラック企業が生まれる。
つまり著者が明らかにしたのは、ブラック企業の原因は僕たち消費者にあるという衝撃的な事実だ。
僕たちは「使い方」を学ぶべきだ
本書で示されたのは、僕たちは「消費」という行動で社会と繋がっており、消費は社会への貢献となるが、一方その行動によってはブラック企業を生み出すなどの悪い影響が生じるという現実だ。
だからこそ、僕たちは「使い方」も学ぶべきなのだと著者は指摘する。
そして著者が示したその「使い方」はとても単純だ。
それは「お金の使い方に自覚的になる」ということである。
著者が言うには、僕たちは無意識のうちに衝動買いをしているということだ。
なんとなくコンビニでお菓子を買ったり、セールをしていたからなんとなく買ったりするなどの経験は誰にでもあるだろう。
そのような衝動買いを減らし、使いたいと思ったものにお金を使う事こそが、正しいお金の「使い方」なのだと指摘する。
世の中は、みんなが使ったお金で成り立っています。(中略)日本の地方や郊外は「ファスト風土」と呼ばれるように、どこに行っても同じような風景(街道沿いにチェーン店やショッピングモールが建ち並ぶ風景)が広がっていますが、それは、みんながそういうお金の使い方をしたから、そうなっているだけのことです。(中略)消費することは、大げさではなく、社会を「創造すること」でもあるのです。p114 p115
つまり、自覚的にお金を使うことにより、社会をより良く変えることができる。
そしてそれが最終的には自分の人生が良い方向へと、変わっていくことにつながることを筆者は僕たちに示している。
<大学生オススメ本>あなたの人生の末路はー読書感想「宝くじで1億円当たった人の末路」 (鈴木信行)
「人生はまさかの連続」
よくそう言われるが、実際自分もまさかこんな人生になるとは夢にも思わなかった。そしてこれからの人生も、予想どおりになるのは難しそうだ。
自分の将来に対する不安はいつまでもつきまとう。特に学生という「選択」しないといけない身分ならなおさら不安は強いだろう。
だからこそ僕たちは人生を大きく変えてしまうような選択を決断することに、難しさを感じてしまう。
なぜなら、その選択をした結果の将来がどうなるかわからないからだ。
その不安が原因で、自分の意志に反して、周りの人達と同じような道を進んでしまう人もいることだろう。
だけど、もしその「選択」をした人のその後の人生、つまりは末路が分かることができれば、どれほど安心できることか。
そんな「選択」を前に不安を感じている人たちにお勧めなのが本著「宝くじで1億円当たった人の末路」だ。
本著では自分から、もしくは偶然の結果、自分の人生を変えてしまう「選択」をした人たちの様々な末路が書かれている。
多種多様な末路
本著には多種多様な末路について書かれている。
表題の1億円当たった人のように、偶然により「受動的な選択」をした人の末路もあれば、バックパッカーのように「自分の意志で決められる選択」をした人の末路も存在する。
さらに「癖で首をポキポキ鳴らし続けた人の末路」のような意味不明な末路や、「リモコン発見機の末路」などのもはや人ではない物の末路まで書かれているという、盛りだくさんな内容だ。
仲でも自分のお気に入りは「電車で中ほどまで進まない人の末路」だ。
通勤通学時に電車に入ると、電車内の中は空いているのに、出入口はなぜか込み合っていてイライラしたことのある人も多いだろう。
そんな困った「電車の中ほどまで進まない人」を人間心理に詳しい専門家が分析し、気が利かない、もしくは心理的に視野が狭いなどの原因を特定する。
そこからそんな人々が増えた現在の日本社会の問題点を指摘し、さらには電車の奥に行く具体的な技術まで教えてくれる。
このように各エピソードが、1つのテーマから思ってもみなかった話題にまで広がってくきてとても面白い。
人生を選択する勇気を
実に多くの選択と末路を収録している本著だが、読んだ人がたとえ同じ選択をしたとしても同じ末路になることはまずないだろう。
その点で言えば本著は参考にすらならないのかもしれない。
しかし「選択する勇気」を本著は与えてくれる。
あとがきにも書かれているように日本は同調圧力が強い国であり、自分だけの「選択」をするのが比較的難しい。
ここまで様々な専門家の方が指摘したように、日本は同調圧力が強い国です。何事も目立たず、周囲と同じことをしなければならない。そうでない人は変わった人である。そうした社会風潮は間違いなく、日本人の人生を生き辛いものにしてきました。
(中略)
そんな同調圧力に自分を合わせるのはいかにナンセンスか、お分かりいただけたはずです。会社生活も私生活も、自分がそれを望むなら、堂々と人と違うことをやればいいんです。
そんな社会の中で、大きな選択をした人が本著には収録されているが、みな自分の人生をしっかり生きているように感じられた。
僕自身も浪人という大きな選択をした結果、いわゆる「まともな人生」の道からは完全に外れてしまっているが、その時の経験は得難いものだったし、後悔はあまりない。
ただ、6年間も浪人するのはオススメできません。ほどほどでやめましょう・・・
例えどんなに周りの人達と違う選択をしたとしても、決意をもって選択したのなら、その人生は唯一無二の人生になって、自身の力になることを本著は教えてくれる。
まとめ
とても真面目な感想になったが、あまり気張らずに多くの人が本著を楽しむことができるだろう。
「男の末路」や「ワイシャツの下に何を着るのか悩む人の末路」などのテーマを、専門家が本気で解説するところは、「空想科学読本」のようなバカバカしさも感じられる。
一方で「友達ゼロの人の末路」や「子供を作らなかった人の末路」など、いまの社会で悩みの種になっているようなテーマもある。
自分の人生の末路を想像し、選択することの助けになれるような1冊だ。